潮風受け 日立疾走 初マラソンに4396人

「ひたちシーサイドマラソン2024」で、海岸沿いを駆け抜けるランナー=17日午前、日立市東金沢町

 日立市制施行85周年を記念した同市初のフルマラソン大会「ひたちシーサイドマラソン2024」(茨城新聞社など主催)が17日、同市東成沢町の市民運動公園を発着点に開かれた。計4396人が出場し、大海原を間近に望みながら、潮風を受けて工都を疾走。沿道から多くの声援が送られ、ランナーと市民が一体となって大会を盛り上げた。

潮風を受けながら国道6号日立バイパスを走る選手たち=日立市旭町

 県北地域で初めてのフルマラソン大会で、日本陸上競技連盟の公認を得て開催した。県内では勝田全国▽かすみがうら▽つくば▽水戸黄門漫遊-の各マラソン大会に次いで5番目。
 スタートセレモニーで実行委員会会長の小川春樹市長は「オーシャンビューのコースが特長。楽しんで完走してほしい」と歓迎のあいさつを述べ、号砲を鳴らした。
 ランナーは市民運動公園を出発後、太平洋に張り出した国道6号日立バイパスや河原子海岸道路などの海沿いコースを疾走。随所に過酷なアップダウンがある中、ひたちBRTのバス専用道路や工場周辺なども駆け抜けた。
 男子総合は熊本県出身の岡山春紀さん(コモディイイダ)が2時間19分40秒で初代王者となり、「マラソンを通じて地元が盛り上がり、ランナーも気持ちよく走れた。新感覚の大会で素晴らしかった」と語った。
 同女子は静岡県出身の松村幸栄さん(同陸上競技部)が2時間48分58秒で初代女王に輝いた。「ボランティアを含めて『大会をより良くしたい』という気持ちが伝わってきた。来年はさらに盛り上がるのでは」と期待を寄せた。
 朝降っていた雨はスタート後にやみ、次第に気温が上昇。晴れ間が広がった昼過ぎに24度を超え、11月としては異例の暑さとなった。3671人が完走し、完走率は83.5%だった。
 同市では2001年から毎年春にハーフマラソンの「日立さくらロードレース」を開催。フルマラソン大会の構想は17年ごろに持ち上がり、秋冬最大のイベントとして、にぎわい創出や交流人口の拡大につなげようと市などが準備を進めてきた。
 第2回大会からは原則として毎年11月の第3日曜日に開催する。