爽やかに日立を駆け抜けた。男子総合は2時間19分40秒で岡山春紀(29)=コモディイイダ=が初代王者となり「本当にうれしい。その一言」と白い歯を見せた。
序盤の5キロ付近で競り合っていた1人を突き放すと、一気に独走状態に。「過去44回マラソンを走ってきたが過去2番目のきつさ」と冗談交じりに振り返る、アップダウンやカーブの多い道でも差を広げていった。
開始直後は雨に見舞われたが、今大会の門出を祝うかのように20キロを過ぎた頃には雨雲も晴れ、照り付ける太陽の下「波も穏やかでめっちゃ気持ちよかった」と美しい河原子海岸沿いを軽快に走った。沿道から送られる地元の声援を受け突き進み、最後は2位と8分以上の差をつけゴールテープを切った。次回以降にも残る記録も狙っていたといい、2時間20分を切り「予想以上で上出来」と納得顔を浮かべた。
東農大時代は陸上部に所属せず独学で走りを追求し、マラソンに挑戦。コモディイイダにも最初は一般入社だったが、地道に大会で結果を残し強化部員へはい上がった。そんな雑草魂を持つランナーが日立で躍動した。
次なる目標は12月に行われる100キロウルトラマラソン「IAU100キロ世界選手権大会」での連覇。さらに「茨城が大好き」と話す殊勲者は「チャンピオンとして譲れない」と次回のひたちシーサイドマラソンでの連覇へも意気込んだ。171センチ、57キロ。熊本県出身。